アキノミチヤナギの標本
先日、千葉県立中央博物館に
行く用事がありました。
ついでに…と、手持ちの標本の中から、
提出予定になっているものをいくつか収めてきました。
わぴちゃんは、自分の研究用と、
博物館提出用、2つの標本をつくっています。
まだ未整理のまま新聞にはさんだ状態の標本が
大きな紙袋にいくつもあり、現在進行形で
その数は少しずつ増えています(^-^;)
これを機に、今年のオフシーズンは、
少し本格的に腰を据えて標本整理をしようかな(^-^;)
今回、未整理紙袋の山から
博物館提出用の仕分け作業を行っていたら、
2008年7月11日に採集した
アキノミチヤナギの標本が出てきました。
手持ちの植物図鑑の中には、
「アキノミチヤナギは乾燥すると赤褐色になる」と
記されているものがいくつかあります。
そして、それが他のミチヤナギ類との
識別点のひとつにもなっています。
ミチヤナギ類も、似たような種類がいろいろあって、
識別に悩む分類群のひとつです(^-^;)
…わぴちゃんがつくった標本を見てみると、
しっかりと図鑑の記述どおり赤みがかって、
葉がレンガ色?になっていてびっくり!
標本からタネが採れたので、ついでに
それも写して図鑑の記述と照らしてみました。
写真中のスケールは1メモリ=0.5mmです。
アキノミチヤナギのタネに関する
図鑑の記述をまとめると。
-------------------
●3稜形。断面は、3辺の長さがほぼ等しい。
●光沢がなく、表面に線状のしわがある。
●タネは花被片に包まれる。
タネの先端が花被片から
つき出るものと、つき出ないものが混じる。
-------------------
こちらもぴたり一致しました。
ちなみに、当時現地で撮影した
生きた状態のアキノミチヤナギはこんな感じです。
アキノミチヤナギは河原や海岸などの砂地に生えます。
街中に多い外来種のハイミチヤナギと似ていますが、
標本にしたときの色、葉の大きさ、
タネの形などにちがいがあります。
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コメント
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ミチヤナギにも色々な種類があるのですね。
いつも読ませていただいていますが、勉強になります。といいながら、忘れる方が早いのですがw
ところで、この種の写真はどんなレンズで撮っているのですか。クモの写真といい、マクロの写真がとても綺麗なので、いつも感心してみています。
投稿: ポタ | 2015/11/12 20:18
◆ポタさん
ポタさん、こんばんは☆
ミチヤナギも、ていねいに調べると奥が深くて、
泥沼にはまっていきそうな分類群ですね(^-^;)
同じタデ科のミゾソバ類も、
かなり奥が深い分類群だということに気づいて、
いろいろ調べ直している今日この頃です。
わぴちゃんのマクロ写真は、
組み合わせ技ですよ~☆
現在は、お手ごろ価格のマクロレンズをベースに、
中間リングを何個も重ねる形で使っています。
倍率は、装着する中間リングの数で調整しています。
かつてはクローズアップフィルタの
重ね技を使っていて、
これも、そこそこの倍率は出ていました。
ただ、現行のマクロレンズ(安価なものでOK)に
中間リングの重ね技のほうが、
解像度が良く、拡大率も高いので、
今は、クローズアップフィルタの出番は
ほとんどなくなりました。
投稿: わぴちゃん☆ | 2015/11/16 22:15